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国際シンポジウム

世界各地の地域ケア

~ともに生きるを目指して~

2018年6月23日(土)

​講演内容

当日の講演内容をご紹介いたします。(下記では自己紹介等を省略してあります) 

挨    拶

水巻中正 ( 国際医療福祉大学大学院 教授 日本医学ジャーナリスト協会 会長)

この民間会議は2014年の5月14日に発足いたしました。医療とか介護に携わっている人たち、また研究者の人たちが、集まってこういう会を作ったわけです。その時の目的としては、当時日本を取り巻く環境というのは、例えば中国、韓国で領土問題が起こっていました。また韓国では従軍慰安婦問題など緊張した国際問題がありました。しかし我々は国際交流、国際貢献を展開する中で、友好的に各国の皆さんと付き合ってきました。その中で私たちがやっている交流、貢献が結果的に日本の安全保障につながるのではないかという信念で、発足しました、そういった意味では、最初は暗中模索でどんなことやらと思っていたのですが今年5年目を迎えました。

特別挨拶

安藤高夫 (衆議院議員 医療法人社団 永生会 理事長)

いま日本では、医療介護に関わってきますけれども二つの大きな政策がございます。一つは地域医療構想で、もう一つは地域包括ケアです。この二つの政策が今アジアの国々で非常に重要視されています。やはりアジア、特に東アジアを中心とした少子高齢化という波が来ております。ちょうどこの一二か月ですけれども私共の法人を含めて、中国あるいは韓国から日本の厚生労働省に当たるところ、あるいは病院や介護関係の方々が大勢来られています。そして特に地域包括ケアに関しては非常にびっくりするぐらい殺気立った勢いで、学ばれています。中国はちょうど甘粛省というシルクロードのスタートの地点でしょうか、昔、西夏という国がありましたが、そこでもやはり国家戦略とし

基調講演

「福祉文化を創るために」

阿部志郎 (神奈川県立保健福祉大学 名誉学長 )

皆さんは加藤一二三という名前をよくご存じです。藤井少年が出るまで私は全く知らない人でした。14歳の藤井少年に、名人の加藤一二三が敗れました。愚痴を言いたいところです。孫のような少年に敗れたのです。ところが加藤一二三はニコニコしながら、藤井少年を誉めました。「才能がある。将来楽しみだ」と。これで加藤一二三が世に浮かび出たということだと思います。加藤一二三に東大の経済学者がインタビューをするというテレビの場面がありました。「あなたはお昼にいつも鰻を取っていますね」と」。「はい」「お好きなんでしょうね」「いえ別に好きじゃありません」「何がお好きですか?」「天ぷらうどん」「どうして天ぷらうどん取らないんですか?」

「ドイツの新しい介護保険制度について」

山崎摩耶 (元衆議院議員 元日本看護協会 常任理事)

昨年2度にわたり視察に行ってまいりました。ドイツの介護強化法、2015年、 2016年、 2017年と介護法を強化いたしまして、日本の介護保険の改革と真逆でございまして要介護認定のモジュールを変えて、日本で言う軽度者=軽い人たちにも給付を開始しました。ということで大変興味深く視察をしてまいりましたので、最新情報をご報告したいと思います。日本の介護保険は2000年スタートでしたけれど、実は1994年から議論を進めていました。その時私も厚生労働省の高齢者介護自立支援システム検討会でこの骨子になる議論をさせていただきまして、ドイツの介護保険は1995年4月1日から施設から始めたんですね。

「ポートランド( 米国 )における高齢者ケア」

遠藤慶子 (東京医科歯科大学 大学院 非常勤講師  医療福祉学博士)

私は、アメリカの高齢者ケアということで、去年の九月に愛育施設支援財団のオレゴン州のポートランドに一週間研修という機会を得ましたので、そのご報告をいたしたいと思います。アメリカの医療、皆様もご存知のように非常に高く日本でもよく知られていると思います。また介護保険もございません。そこでは家族介護や、自己負担それが非常に大きい、ウェイトが高いという現状がございます。そこでアメリカに行きまして、介護版のマネージメントケアに取り組む高齢者のための包括ケアプログラム、PACEを今回紹介いたしたいと思います。PACEというのはProgram of Inclusive Care for Eldery です。

「 中東のハブ拠点ードバイの医療福祉事情」

長谷川フジ子( 東京大学 大学院薬学系研究科 薬学部研究員 薬学博士)

本日は、ドバイの一般事情や医療事情、そういったことを中心にお話をさせていただきまして、最後に世界から日本をみた場合にどういったことが必要なのか私が考えていることそちらのほうに少し触れさせていただきたい。
そんな風な構成で作ってまいりました。さて、ドバイなんですけれども、ドバイというのは一つの国と考えている方が多いのではないでしょうか。ドバイはこちらにもありますように、アラブ首長国連邦の一つの部分です。UAEといいますけれども。最初にこのUAEについての概要を紹介したいと思います。こちらは7つの首長国による連邦制でありまして、その一つがドバイということを押さえていただきたいと思います。首都はアブダビです。

国際シンポジウム 講演

「 地域包括ケアシステムにおける自治体の役割ー 神奈川県の場合」

黒岩祐治( 神奈川県知事 )

第一部は国際的な話だったようですが、後半はぐっとローカルな話になります。神奈川県の取り組みについてご説明させていただきます。神奈川県知事になってから最初から言っているのは、「いのち輝く神奈川」ということです。「いのち輝く」―何が大事ですかというと医療が充実するのは当然ですが医療だけ充実してても、社会科学ですね、様々な教育から食からから農業 エネルギー環境。様々なものがリンクしてうまくやっていかないといのち輝かないですよね。ということをずっと言ってまいりました。国連がSDG’S。持続可能な開発目標というのを出してきました。17の目標。これを見てみますと、いろいろな目標があります。健康と福祉とか飢餓をゼロにとか、

「世田谷区の地域包括ケア
  ~小さな点から、大きな円へ~」

秋山由美子( 一般財団法人 社会福祉研究所 研究員 元世田谷区 副区長 )

今までずっとグローバルな視点からお話があったのに、世田谷区は5つの地域があるのですが、その中の一つの砧地域のほんとに小さな小さな地域の視点でお話をさせていただくということで皆様の頭の切り替えがとてもとても面倒なのかなと思ったりしております。それともう一つは、パワポを思いがたくさんあって一杯作ってまいりました。パワポをお配りしていると思っていたんですが、パワポがないということで途中飛ばしながら説明させていただこうと思っています。前半は世田谷区で副区長をやっておりましたので、行政の話を、世田谷区がどんなことをして地域包括に取り組んできたのか、後半は、先ほど言った、私は辞めてから三年たつのですが、

「ミャンマーの医療福祉事情の一端」

キン・チョー・チョー・トゥン

       (サクラファインテックジャパン株式会社 海外営業部 )

本日私が皆様にご紹介したい内容は、ミャンマーの一般情報、ヘルスケアシステム、保険制度、高齢化社会と老人ホーム、となります。皆さんミャンマーのことはご存知でしょうか?地図にも見られるようにタイ、中国、バングラデシュに囲まれている国です。「ビルマの竪琴」という映画を見たことがある方が、いらっしゃるかと思いますが、昔はビルマと呼ばれました。人口は約5千万人で、日本の半分以下になります。日本と同じく仏教徒の国ですけど、日本は大乗仏教、ヤンマーは小乗仏教です。一人当たりのGDPは1,200ドルで、日本の30分の1で非常に低いレイティングになります。これからミャンマーのヘルスケアシステムについて紹介したいと思います。

「地域包括ケアの将来像」

田中ひろみ( 読売新聞 社会保障部記者 )

「地域包括ケアとはそもそも何か」という簡単な説明ですが、いつも新聞紙面上では、難しい言葉を使いたくないので、簡単に「住み慣れた地域で最期まで暮らせる体制」という説明をしています。地域包括ケアに重要なのは2軸あると言われていまして、一つは住民同士のネットワーク、支え合い、もう一つが医療と介護を中心とした多職種の連携が重要だと言われています。こう言っても抽象的な概念で、わかりにくいかと思うんですけれども、地方と都市で異なる事情がありまして、例えば、地方では高齢者も減っていくけれども地方では高齢者も増えて行く。ですとかそもそも医療介護のサービスが、どの程度地域に存在しているかという背景も違いますので、実際は厚労

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